不妊・妊婦の豆知識
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鍼灸を受けながら、薬膳を取り入れて、食事を改善することで母体を修復し、体力を養うことで妊娠しやすい体つくりのプラスに!中医学では、習慣性の流産の原因は4タイプに分かれます中医学では、1~2回の流産は特に問題にされません。3回以上の流産は「滑胎かったい」といい、現代医学では習慣性の流産をさし、原因を4タイプに分けています。生命エネルギーや生殖機能を司るとされる臓器「腎」の力不足のタイプです。生まれつき腎のパワーが弱い虚弱体質の方、ストレスやプレッシャーにさらされている、流産によって腎のパワーが弱っているなどが原因にあげられます。 腎には封臓作用といって、尿や精液、体液などをためて保つ力があるとされます。腎が衰えることでその作用が弱まり胎盤を維持することができないため、流産につながるといわれます。 ふだんから、頻尿や膀胱炎などの泌尿器科系のトラブルがある方、疲れやすく元気がない、腰やひざの冷えやだるさ、めまいや耳鳴り、月経が遅れがちという方は注意しましょう。タイプ別では「陽虚」の方があてはまるので、アドバイスも参考に。 タイプ別でいうと「気虚」と「血虚」の複合タイプで、「気血虚弱」といいます。胃腸の消化・吸収がうまく機能せず、体内を巡る「気」エネルギーや「血」の栄養が不足。「気」や「血」は胃腸での消化・吸収によってつくられます。気には体の中で内臓が一定の場所にとどまって支える役目も担っているため、気が不足すると胎盤を支えられません。また、血が不足することで胎盤に栄養が与えられない、不育の状態になります。 特に生まれつき胃腸の弱い方、疲れや冷えなどで胃腸の調子をくずしやすい、下痢をしやすい方にみられます。ふだんから疲れやすい、息切れがする、顔色が悪いなどの方は薬膳で体質改善を。タイプ別「気虚」「血虚」のアドバイスもごらんください。 タイプ別でいうなら「陰虚」です。体内を巡る「水」の不足で、体液が不足の状態。もともと陰虚の体質に加え、妊娠、流産と繰り返すことで、必要以上に体液を消耗したため、さらにうるおい不足に。中医学では「陰虚血熱」といいます。 ふだんから、顔のほてり、胸のあたりがもやもやと熱がこもる、口やのどの渇き、月経量が少なく、経血に粘りがあるなどの場合は、薬膳で体質改善を。タイプ別の「陰虚」のアドバイスも参考にしてください。 タイプ別でいうなら「気滞」と「瘀血」の複合タイプで「瘀血内祖」といいます。体内を巡る「気」のエネルギーが悪化、「血」の巡りが悪くなり、滞った状態です。瘀血の症状が強く、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患をかかえている方も少なくないはず。まずは、血の滞りを除いて血流を改善することを体質改善の目標にしましょう。タイプ別「瘀血」「気滞」のアドバイスも参考にしてください。 流産→妊娠には「肝」と「腎」の強化を中医学では、習慣性の流産の考え方が現代医学と少し違います。流産を繰り返すことは何度も妊娠するというようにとらえます。何度も生殖エネルギーを大量に使うことになりますから、「腎」が消耗します。また、子宮に大量の血液を準備するので「肝」の機能も強化しなくてはいけません。特に、現在、体外受精にチャレンジされている方、これから考えられている方は、自身が持つ体質にかかわらず、「腎」と「肝」のパワーを高める食生活がとても重要です。下記におすすめ食材をご紹介しますが、あわせてタイプ別の「陽虚」「血虚」「瘀血」「陰虚」、「高齢出産のための薬膳」も参考にして下さい。
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