不妊・妊婦の豆知識
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陽気に満ちた夏は 水と気を補いながら いきいき活動
夏はこころも体も活動的になりますが、ここで負荷がかかるのが「心(しん)」です。心は、血(けつ)を全身に巡らせる役割がありますが、体が活発になればなるほど、その仕事量が増えて疲労が蓄積。さらに暑さが追い打ちをかけて、だるさでぐったり。そして暑さによって生まれた余分な熱を外に出すために汗をかきますが、その汗で水と気が失われると、元気も不足して血の巡りは悪くなります。
背中、足首、腰のツボを隠して冷房病から体を守りましょう
人の身体には外気に合わせて体温調整をする機能が備わっています。しかし、冷えっ冷えの室内と灼熱の屋外を行ったり来たり。そんな生活は、体温調節をつかさどる自律神経を狂わせ、夏バテに似た症状を起こしてしまいます。俗にいう冷房病です。大事なのは、気温差を広げないこと。冷房の温度を下げ過ぎない。なおかつショールなどを羽織って冷えを防ぎましょう。特に注意したいのは「三陰交(さんいんこう)」がある足首。さまざまな不調に効く万能ツボですが、ダメージを受けるとその影響も大きいのです。門がつく「風門(ふうもん)」「命門(めいもん)」は風邪の侵入口になりやすい場所。冷房の風から守ってください。
「三陰交」を隠す
≪位置≫
内くるぶしの上から、指幅4本分程度上がったところ。
≪方法≫
靴下やレッグウォーマーなどを活用してツボの部分を覆う。冷房の風が当たらないようにする。
「風門」「命門」を隠す
≪位置≫
風門:首を前に倒したとき飛び出る骨の下(大椎)から背骨の山を2つ下に移動。そこから親指幅1本半分程度外側の左右。
命門:背中にあり、おへそのちょうど裏側
≪方法≫
ショールなどを羽織って冷房の風が当たらないようにする。
【プラスの養生】冷房が効いた部屋では桃にしましょう
夏の果物は体を冷やすものが多いのですが、桃は例外です。桃は夏の果物では珍しく温性で体を冷やしません。冷房で冷えている時、冷たい飲み物で胃腸が弱っているときの果物は桃を選びましょう。栄養も豊富です。
夏の食欲不振に効くのは胃腸に働くツボと軽い発汗です。
食欲不振など胃腸にまつわる不調は以前もご紹介した冷房病のひとつです。冷房の影響で汗をかく機能が鈍ると暑くても汗がうまくかけず、体に熱が停滞。そんな熱を冷まそうと冷たいものをがぶがぶ飲めば、当然胃腸に負荷がかかります。さらに、汗をかきにくいため、体はその水分を貯め込んでしまいます。すると、水の滞りが苦手な「脾」が弱り、脾と関係が深い胃腸が一層弱るという悪循環に。そんな状況打破に有効なのは胃腸を元気にするツボ。「陰白(いんぱく)」「商丘(しょうきゅう)」や「足三里(あしさんり)」を足湯や入浴で温めれば、軽く汗をかくこともでき、余分な熱や湿が排出できて一石二鳥です。
「商丘」「陰白」を温める
≪位置≫
商丘:内くるぶしの下で少し前(指寄り)のくぼみ。
陰白:足の親指の爪の生え際。内くるぶし側にある。
≪方法≫
洗面器などに42℃程度のお湯を入れ足湯をする。時間が経ってお湯が冷めると、冷やしてしまうので注意。
「足三里」を温める
≪位置≫
ひざの外側、お皿の下のくぼみから指幅4本分程度下がったところ。
≪方法≫
夏でも湯舟に入って温める。湯舟に浸かりながらツボを軽くもみほぐす。
【プラスの養生】ひげは捨てずにお茶で味わう
とうもろこしは胃腸を元気にし、水分代謝も助けてくれる食材。実はもちろんですが、じつはモシャモシャした”ひげ”も、生薬として使われるほど優秀です。フライパンで乾煎りし煮出した「ひげ茶」でどうぞ。