不妊・妊婦の豆知識
[Vol.171] <<<次の記事 前の記事>>> バックナンバーはこちら |
目覚めの季節。新芽の成長のように人ものびのびと
冬の間動きを止めていた動植物が、息を吹き返したかのように動き出す春。
芽吹いた新しい命は高まる陽気に後押しされながら、のびのび成長していきます。
人もまた、陽気につられ活発になりますが、高まるエネルギーで体がほてったり、ソワソワしたりイライラしたり。誰もが、精神の不安定さを感じるのも春の特徴です。そんな体とこころを安定させるためには、体内で渦巻く余分な熱を逃がすように、体をぐーっと伸ばしましょう。何も妨げのないところを自由に伸びる草木のように、人ものびのびと過ごすことがポイントです。
前回に続いて3回目の今回は、「春の不眠」「ため息」についてお伝えします。
気持ちが高ぶって眠れない夜は、かかととお腹に手を当てる
春の不眠の原因で多いのは、頭に上った熱です。春を迎え陽気が高まると、妙に浮き足立ったり、落ち着かない。そんな高ぶった感情から生まれた余分な熱が頭にたまったり、脳を覚醒させっぱなしにしてしまうのです。そんなときは、頭から熱を下ろすことが先決。かかとの「失眠」を軽く刺激することで足元に熱を引き寄せ、頭をクールダウンさせましょう。
「関元」は、気のバランスを調整する働きがあります。寝ながらツボに手を置き深呼吸すると、全身の気の流れがととのい、自然と眠りモードへ。ちなみに耳裏にある「安眠」というツボは、ここでは不向き。”頭より下”の刺激が大事です。
「失眠」を軽くたたく
≪位置≫
足の裏で、かかとの真ん中。
≪方法≫
かかとは皮膚が厚いので、こぶしでトントンと軽くたたく。ただし、目が冴えない程度の強さで。
「関元」を温める
≪位置≫
おへそより指幅4本分程度下がったところ。関元は、丹田(たんでん)とも呼ばれる。
≪方法≫
仰向けになり、坪に両手のひらを重ねてじんわり温める。ツボを背中側にぐーんと沈めるような意識で、深呼吸する。
【プラスの養生】爽やかな香りで気持ちを鎮めましょう
爽やかな香りを嗅ぐと、胸がすっと軽くなりますよね。それば気が巡った証拠。ハーブなどの花に抜けるような香りは気を巡らせる作用があるので、気が高ぶっているときは、爽やかな香りをかぐのがおすすめです。
春はだれでもため息。脚をさすれば気持ちがラクに
肝の働きが疲れて滞る春は、気の巡りが悪くなりがちです。すると、停滞した気が、ふくらんでいく風船のように胸やお腹を内側から圧迫し、不快な張りをもたらすことがあります。特に、肋骨の下を手で押した時に、痛かったり、うっと詰まるような苦しさがあったら気が滞っているサインです。
ため息は、そんな停滞した気を体が少しでも外に出そうとするために起こるもの。同じ理由でゲップや、おならも多くなりがちです。これらが起こったら、脚をさすってみましょう。脚には、気の巡りを調整する肝のツボが連なります。「蠡溝(れいこう)」「曲泉(きょくせん)」「中都(ちゅうと)」「膝関(しっせき)」を刺激すると、体も気持ちもスッキリしてきます。
「曲泉(きょくせん)」「蠡溝(れいこう)」をさする
≪位置≫
[曲泉(きょくせん)]
脚の内側で、ひざの曲げジワ先端。押すとくぼむ
[膝関(しつかん)]
曲泉から指幅3本分程度下で、なおかつ親指幅1本分程度後方。
[中都(ちゅうと)]
蠡溝から指幅3本分程度上がる
[蠡溝(れいこう)]
内くるぶしから指幅7本分(人差し指~小指の4本+人差し指~薬指の3本)程度上がる。すねの骨の上
≪方法≫
すねの骨の内側全体をさすれば、これらのツボもおのずと刺激できる。クリームやオイルをつけるとさすりやすい。
【プラスの養生】炭酸飲料は気の巡りを助けてくれます
「炭酸飲料が無性に飲みたい」ということはありませんか?それも、気の滞りのサイン。体はゲップを誘ってたまった気を発散させようとしているのです。欲したときはぜひ飲んで、気の巡りを助けましょう。