不妊・妊婦の豆知識
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目覚めの季節。新芽の成長のように人ものびのびと
冬の間動きを止めていた動植物が、息を吹き返したかのように動き出す春。
芽吹いた新しい命は高まる陽気に後押しされながら、のびのび成長していきます。
人もまた、陽気につられ活発になりますが、高まるエネルギーで体がほてったり、ソワソワしたりイライラしたり。誰もが、精神の不安定さを感じるのも春の特徴です。そんな体とこころを安定させるためには、体内で渦巻く余分な熱を逃がすように、体をぐーっと伸ばしましょう。何も妨げのないところを自由に伸びる草木のように、人ものびのびと過ごすことがポイントです。
前回に続いて2回目の今回は、「春におこりやすい不調」についてお伝えします。
春のイライラは頭皮マッサージで落ち着きます
春を迎えると体のエネルギーが高まり、体内には余分な熱が増えます。さらに、感情をつかさどる肝の働きが鈍る事も重なると、ちょっとしたことでイライラしたり、カッとなってしまうのです。
そんな時は、頭のマッサージが効果的です。というのも、熱は上昇しやすい性質があるため、頭部にたまりやすいから。ツボを押しながらもみほぐすことで、頭部で行き詰った熱を発散させましょう。
このとき指を添えたいのは、側頭部に連なる「曲鬢(きょくびん)」「率谷(そっこく)」「天衝(てんしょう)」「浮白(ふはく)」「頭竅陰(あたまきょういん)」「完骨(かんこつ)」。これらは胆(たん)の経絡上のツボで、五行色体表からもわかるように肝と胆は関係が深い臓腑。胆のツボを刺激することで、肝の働きを助けます。
「曲鬢」~「完骨」を押す
≪方法≫
指の腹を側頭部に当て、指を軽く上下に動かす。ツボを的確に押すのは難しいので、指の一はおおよそでOK。
【プラスの養生】髪も服装もゆったりしましょう
肝は束縛されるのが苦手。そんな肝のご機嫌を損ねないためには、髪は結わずにおろし、服もゆったりとしたシルエットのものを選びましょう。締め付けがなくなると、自然と気持ちもゆるんできます。
ほてったり、ソワソワしたら、手首と胸のツボに頼りましょう
顔がほてったり、特に理由もないのにソワソワして落ち着かない・・・。余分な熱が体に生じやすい春にはよく起こる不調です。
手首にある「神門(しんもん)」「通里(つうり)」は不安定な精神を安定させるツボ。気持ちが高ぶっていると力強く押してしまいがちですが、やさしく押すことを心がけましょう。胸の近くにある「神蔵(しんぞう)」「歩廊(ほろう)」もまた、メンタルケアに効きます。胸の内で渦巻く、モヤッとした気持ちを外に出すイメージでぐ~っと胸を開き、ツボを伸ばしましょう。
縮こまっていた胸元がゆるむと、型の力もすっと抜けていきます。新鮮な空気をたくさん吸えるようになるので、気の巡りもスムーズに。すると自然と熱が冷め、感情も安定していきます。。
「神門(しんもん)」「通里(つうり)」を押す
≪位置≫
[神門]
手のひら側の手首のシワの上。小指側の腱の内側(親指寄り)のくぼみ。
[通里]
神門より親指幅1本分程度ひじ寄り。
≪方法≫
親指の腹で、軽く押したり、人差し指と中指の腹などでさするのもおすすめ。力を入れすぎないように注意。
「神蔵(しんぞう)」「歩廊(ほろう)」を伸ばす
≪位置≫
[神蔵]
鎖骨と乳首の中間程度の高さで、体の中心より指幅3本分程度外側の左右。
[歩廊]
神蔵から下へ移動し、第5肋骨と交わるところのすぐ下。※アンダーバストより指3本分程度下が目安
≪方法≫
胸を大きく広げ、ツボがあるところを伸ばす。深呼吸で気持ちを緩めて行う。
【プラスの養生】いちごは余分な熱を冷まします
春が旬のいちごは、余分な熱を冷まし、体をうるおしてくれます。ほてりを感じた春の日のデザートは、いちごがおすすめ。ただし食べ過ぎると体を冷やし過ぎてしまうので、1回に食べる量は2~3粒を目安にしましょう。