不妊・妊婦の豆知識
[Vol.154] <<<次の記事 前の記事>>> バックナンバーはこちら |
授かるためには、その仕組みや働きを知ることも大事です。
3回に分けて、その概要をみなさんに分かりやすくお伝えしています。
2回目の今回は、子宮のトラブル「子宮筋腫」「子宮ポリープ」「子宮奇形」についてです。
子宮筋腫
筋腫の種類は3タイプ。経血量が増えたら要注意
子宮筋腫は子宮筋層にできるこぶで、いわゆる良性の腫瘍です。
大きく3つのタイプに分類されます。
【漿膜化筋腫】
子宮筋層の外側を覆う「漿膜」付近にできて発達した筋腫
【筋層内筋腫】
子宮の筋肉に出来る筋腫
【粘膜下筋腫】
子宮の内部を覆う粘膜の近くにできて発達した筋腫
子宮筋腫ができる原因ははっきりと分かっていませんが、女性ホルモンのエストロゲンの作用によってできるといわれています。
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、悪性腫瘍に変化することはほとんどありません。しかし、筋層内筋腫や粘膜下筋腫のように子宮の内側に凸凹ができると着床の妨げになることがあるので、切除が必要な場合もあります。
筋腫の場所や大きさによって手術かを決定
子宮筋腫の大きさや個数が多く、粘膜下筋腫など明らかに妊娠の妨げになる場所にあれば手術を、粘膜下筋腫が小さい場合は子宮鏡での処置が可能です。
小さな筋腫は、取り除いたとたんに自然妊娠するケースもあります。腹腔鏡手術をした場合、妊娠にトライする時期は主治医と相談の上慎重に進めて行くのがいいでしょう。
※手術適応は手術を行う施設により異なります。大きさや個数の見解も施設ごとに違いがあります。
子宮ポリープ
子宮内膜などにできる突起状のいぼ
子宮頚管にできるポリープと、子宮内膜にできるポリープの2つがあります。子宮内膜ポリープの大きいものは、着床の妨げになる場合があるので取り除きます。しかし取ってもまたできることがあるので、対処法は主治医と相談して決めます。
子宮奇形
女性の約5%が子宮奇形。手術が絶対ではありません
子宮奇形は生まれつき、先天的なもの。婦人科健診や不妊治療の検査で受ける超音波検査で見つかることが多いですが、必ずしも手術が必要というわけではありません。流産を繰り返す、子宮の変形で子宮内に月経血が溜まるなどがあれば、手術する場合もあります。