不妊・妊婦の豆知識
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もしトラブルがあっても、妊娠する方法はある?
卵管采(らんかんさい)が卵子をピックアップしにくくなる
卵巣囊腫には多くの種類がありますが、主なものは下にあげた3つです。特にかかりやすい年齢はなく、若い人でも年齢を重ねた人でもかかります。
どのタイプの場合も、囊腫がある程度大きくなるまで自覚症状はありません。前回のコラムのチョコレート囊胞と異なってコロコロと動いたり、ねじれたりするので痛みを感じたり、囊腫が大きくなって今まではいていたスカートやパンツがきつくなったりして気づくことがありますが、そのころにはかなりの大きさになっています。
大きくなった卵巣が動くため、卵管から手のように出ている卵管采(らんかんさい)が卵子をピックアップしにくくなり、妊娠の妨げになります。
出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会ホームページより引用
(http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.html?content_id=12)
良性の腫瘍で、卵巣の上皮からできています。卵巣の中にサラサラとした透明な黄色っぽい液体がたまります。
漿液性と同じように良性の腫瘍で、卵巣の上皮からできています。ムチン性とも呼ばれ、ネバネバとした粘液がたまります。
卵巣の中にある卵子が勝手に育ってしまったもので、皮膚や髪の毛、脂肪分、歯、骨などが含まれています。なんらかの遺伝子異常が原因といわれ、再発しやすいのが特徴です。
Q | 卵巣囊腫の手術をしましたか? |
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「しない」と答えた人も手術予定があり、実質は手術が100%。気づきにくいためか、卵巣が破れた人が複数いたので注意が必要です。
Q | 手術後にどのような不妊治療をしましたか? |
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手術後の治療はタイミング法からスタートした人が多いようです。現在の段階は、人工授精と体外受精・顕微授精にステップアップしている人が同数でした。
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効果的な薬がないので、治療方法は手術のみです。再発しやすい皮様性囊腫の場合や、妊娠後にねじれる可能性がある4~5cm以上の大きさの囊腫では、手術をすすめます。比較的再発しにくい漿液性囊腫や粘液性囊腫の場合や、小さいものはそのまま妊娠にトライすることもあります。
手術は腹腔鏡下で行なうことがほとんどです。囊腫部分と正常な部分の組織がハッキリ分かれているため、正常な部分へのダメージは少なくてすみます。
手術後1カ月ぐらいたてば妊娠してもだいじょうぶなので、なるべく早いうちに妊娠にトライするとよいでしょう。