不妊・妊婦の豆知識
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もしトラブルがあっても、妊娠する方法はある?
以前より月経量がふえたら注意して
子宮筋腫は、子宮の筋肉の中にできる「こぶ」のようなもので、子宮のトラブルでは最もよく見られるものです。
自覚症状は上にあげた3つ。月経量がふえるのは、筋腫ができて子宮内膜(しきゅうないまく)の面積がふえることや、月経時の子宮収縮が均等ではなくなって血が止まりにくくなることなどが原因です。
出血が多いと、貧血が起こることも。下腹部痛や便秘、頻尿、腰痛などが起こるのは、筋腫ができて子宮が大きくなり、腸や膀胱(ぼうこう)などを圧迫するようになるからです。血流を圧迫して足のむくみやしびれなどの症状が出ることもあります。
いちばん気づきやすい症状は、月経量がふえること。ナプキンをかえる頻度が高くなった、昼でも夜用ナプキンが必要、レバー状のかたまりが出るなどがあったら、一度受診しましょう。
出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会ホームページより引用
(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kinshu.html)
子宮の筋肉の層の外側をおおう「漿膜(しょうまく)」の近くにできて、育つ筋腫。不妊の原因になることはほとんどありませんが、大きくなるとねじれて痛むことも。
子宮の内部をおおう「粘膜(ねんまく)」の近くにでき、育つ筋腫。3種のうち最も妊娠への影響があり、受精卵の着床を妨げるので、筋腫をとり除く必要があります。
子宮の筋肉の中にできて大きくなる筋腫。小さい場合や、数が少ない場合には、手術しないで自然妊娠を試みることもあります。
原因ははっきりわかっていませんが、女性ホルモンのエストロゲンに関係があると考えられています。子宮の筋層内には「子宮筋腫の芽」といえるものがあり、エストロゲンにさらされて、年齢とともに大きくなるのです。20~30代で10~20%程度、30代後半からふえ、40代では30%以上になります。
エストロゲンが関係すると考えられていることから、「月経のある女性はかかる可能性がある」といえます。かからない人の場合は、エストロゲンを防ぐ因子が働いているとも考えられています。家族に子宮筋腫のある人がいる場合は、なりやすいでしょう。
Q | 子宮筋腫の手術をしましたか? |
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「しない」と答えた人の多くは「妊娠に影響がない場所だった」ことが理由。「した」人の手術法は開腹、腹腔鏡、子宮鏡とさまざま。
Q | 手術後にどのような不妊治療をしましたか? |
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タイミング法と体外受精・顕微授精が同数で、8割以上を占めました。手術時の年齢と治療方法に関連性は見られませんでした。
先天的なもので、ほとんど自覚症状がなく、超音波検査などで見つかります。下のイラストのように、いくつかの種類があります。
受精卵が着床しにくく、流産や早産の原因になることもありますが、必ずしも手術が必要ではありません。中隔子宮は、手術で子宮の内側の形をととのえると着床しやすくなります。
出典:妊娠力UP@基礎知識講座ホームページより引用
(https://www.zakuroya.com/column/column010.html)
子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープの2種類があり、不妊の原因になるのは子宮内膜ポリープです。不正出血や月経がダラダラと続くなどの症状で気づくこともありますが、不妊治療の検査で見つかることも。
大きいものは着床の妨げになるので手術でとりますが、たくさんある場合にはまずホルモン剤で子宮内膜の状態をととのえ、ポリープが消えるかを確認します。
出典:日帰り手術ドットコムホームページより引用
(http://www.1day-surgery.com/sikyuunaipolyp.html)
多くは性交渉によって感染します。原因はヒトパピローマウイルスで、発症率は20~39才の女性1万人に3~4人です。前がん状態(高度異形成)の0期、がんが子宮頚部以外に広がっていないⅠ期などに分けられます。0期は症状がほとんどないため、子宮頸がん検診でしか見つけられません。
0期の段階で発見することができれば、子宮本体を残して患部のみを切除する「円錐切除術」ができ、妊娠への影響を最小限に抑えられます。最近ではⅠ期であれば、子宮頚部を支えている組織までを切除する「広範子宮頚部切除術」を行ない、子宮本体を残す施設もふえてきています。
出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会ホームページより引用
(http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.html?content_id=10)
赤ちゃんが欲しい(主婦の友生活シリーズ)
大きさが約6cm以上で、粘膜下筋腫など妊娠の妨げになる場所にある場合には、手術でとり除くことで妊娠しやすくなります。
粘膜下筋腫以外でも、妊娠すると筋腫が大きくなって流産や早産になる可能性がありますが、小さいものや漿膜下筋腫で影響が少ないと考えられる場合は、自然妊娠を試みることがほとんどです。
粘膜下筋腫は子宮鏡で、それ以外のほとんどは腹腔鏡(ふくくうきょう)で手術を行います。すぐに妊娠すると子宮への負担が大きいため、20~30代前半の場合は、術後半年間は妊娠しないようにすすめます。年齢が高い場合は、手術前に体外受精で受精卵を凍結しておき、半年後に子宮に戻すという方法も。