不妊・妊婦の豆知識
[Vol.80] |
せっかくできた受精卵を移植しても着床しないと悩んでいる方が大勢います。
着床と卵子の質はやはり関係するのでしょうか。 【着床するってどういうこと?】 卵子と精子が卵管で出会って受精卵となったのち、分割を繰り返しながら卵管を通って子宮に向かいます。子宮内膜に潜り込んで根付くと着床となります。 【着床の時、子宮内膜の状態は?】 子宮内膜は受精卵のためのベッド。排卵後ホルモンの働きにより、受精卵が潜り込みやすいようにフカフカに厚くなって準備を整え、子宮にやってくるのを待っています。 着床の基礎知識チェック!!!受精卵が着床しないのは卵子の質による場合がほとんどまず受精卵が着床する仕組みをおさらいしてみましょう。排卵は月に1回起こりますが、その2~3日前から、子宮頚管には精子が通りやすいように粘液が増えてきます。 排卵が終わるとまた粘液はなくなり、子宮の入口はぴったりとくっついて、精子は入ることができなくなります。 子作りをしようという時、排卵の日に合わせて性交渉を持とうと考える人が多いですが、排卵がいつ起こるのかピンポイントではわかりません。ですので、排卵が起こりそうな日の数日前から1日おきに2~3回タイミングを取れれば、精子は頚管粘液が増えたときに子宮へと入っていくことができます。 子宮の中に入った精子は卵管へと向かい、卵管膨大部で線毛に頭を突っ込んで、卵子が来るのを待っています。 膣内に射精された精子は1~2億個いますが、子宮を通り卵管に到達するのはその中のわずか1000個くらいだといわれています。 そこに排卵された卵子は卵管采でピックアップされて取り込まれてくると、精子が一斉に取りついていき、生存競争に勝った1匹がスッと中に入り、受精となります。 受精卵はその日のうちに2細胞期胚になり、2日目に4細胞期胚、3日目に8細胞期胚と分割しながら卵管を子宮のほうにさかのぼっていきます。 そして4日目には桑実胚、5日目に胚盤胞となり、子宮に入っていきます。そそて厚くなった子宮内膜に潜り込み、根を下ろせば着床となります。 うまく着床すれば、妊娠5週頃に赤ちゃんが入っている袋である胎嚢を確認することができ、臨床妊娠と判定されます。 1歳でも若いうちに受精卵を!着床できるかどうかは、卵子の質によって決まると言っても過言ではありません。卵子は高齢になるほど染色体異常をもつ確率があがるので、少しでも若いうちに受精卵を確保することが着床~妊娠・出産のために重要です。 [参考文献] Jineko 2015winter |