不妊・妊婦の豆知識
[Vol.79] |
知っているようで、実は知らないことがたくさんある「卵子」。 そもそも卵子でどうやって出来ているの? 個人差はあるの? など、分からないこともたくさんあると思います。 今回は、そのような誤解や勘違いをスッキリ解消する「卵子の基本知識パート5」をお伝えします。 体外受精でも受精しないのは、卵子が老化しているから?これは一概に卵子の老化だけが原因だとは言えません。卵子ではなく、精子側の問題で受精障害を起こすこともあります。数や運動率は正常でも、なぜか精子が卵子を嫌って入っていかないというケースも実際にあります。 このよう場合には、人の手で受精させる顕微授精という方法もあります。精子の数が極端に少ない人は最初から適応になりますが、精子に問題がなくても、体外受精で数回トライしてうまくいかない場合も、この方法を提案されることがあります。 また、患者さんから「卵子が老化している場合、顕微授精すればうまくいきますか?」と聞かれることもあります。これについては、少しは助けになるかもしれませんが、本質的には大きなメリットになるかどうかは何とも言えない という回答をせざるを得ません。 受精はしたとしても、その先の受精卵の成長は、顕微授精をしたからといって良くなるとは言えないのです。 ですから、すぐに「年齢が高く、卵子が老化していることが考えられるから顕微授精にしましょう」という選択には至らないのではないかと思います。 [参考文献] Jineko 2015winter |