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不妊・妊婦の豆知識

[Vol.22]
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不妊治療における培養の現況

【胚培養師とは】
 培養とは、細胞や組織の一部を人工的な環境下で育てることを言います。不妊において、精子や卵子、そして受精卵(胚=配偶子)の培養は大変重要です。
 不妊において培養を専門的に扱う技術者を胚培養師(エンブリオロジスト)といいます。胚培養師は、卵子、精子、受精卵の管理をし、受精操作や培養、凍結保存などを行う専門家であり、人工授精や体外受精および顕微授精といった高度不妊(ART=アート)のなかで大変重要な役割をになっています。
 胚培養師という公的な資格はありませんが、現在国内では日本哺乳動物卵子学会と臨床エンブリオロジスト研究会による認定制となっています。卵子や精子、配偶子のほか、顕微鏡などの精密機器を扱う仕事の為、専門性の高い知識と経験を必要としています。
 高度不妊を行なっている医療機関において、胚培養師の存在は必須であり、また、体外受精、顕微授精、および胚移植(受精卵を子宮に戻すこと)の成功率は、胚培養師がもつ技術に大きく左右されるといっても過言ではありません。
 不妊を受けるにあたり、胚培養師の仕事の内容を知ることは、患者さんにとって大いに役立つはずです。
【培養の流れ】
 それでは、不妊における培養の細かな流れを見ていきましょう。
 まず、採卵(卵子を採取すること)が終わると、卵子はシャーレに集められます。そして3~6時間後に体外受精もしくは健美受精を行ないます。シャーレに集められた卵子には、血液なども入っているため、体外受精をする時に、精子と合わせるときに使う培養液に変更します。
 卵子には、卵子を含むゼリー状の透明帯と卵子の細胞膜の間に第一極体という丸い小さな粒があり、受精してから5~6時間後、その第一極体の横に、もう一つの極体である第2極体が放出されます。
 早い人では、受精後6時間ほどで、2つの各(前核)が中央に確認できます。午前中に採卵を行なえば、その日の夕方に受精確認が可能なのですが、卵子の質によっては第一極体以外の不純物が同じような位置にある人もいて、それを極体と間違えてしまう場合があります。採取後「受精の確認は翌日電話をして下さい」と言われるのはそのような間違いを防ぐためです。
 受精が確認できたら、2種類目の培養液に変更します。細胞分裂した受精卵の表面の穴が完全に広がった「胚盤胞」になるまで培養する場合は、受精から3日目に胚盤胞用の培養液に変更します。ただし、培養液によっては、最初から最後まで同じものを使うタイプもあります。
 胚を観察するときは培養器から出し、顕微鏡を使って行ないます。培養器から出すというのは、子宮とは違った環境(光や空気のある環境)に置くことになります。それが胚にとってストレスになる可能性があるため、観察は必要なときにしか行ないません。
 受精確認後は、胚盤胞移植以外の移植予定日(2日目移植、3日目移植など)が観察日となります。胚盤胞移植の場合、3日目で培養液を胚盤胞用に取り替える為、培養液の取替と同時に観察も行ないます。5日目で胚盤胞にならなかった場合は、翌6日目にも観察を行ないます。
 培養は人間の手で行われます。したがって、ミスを限りなくゼロに近づけるため、細心の注意を払いながら作業は行われます。精子や卵子の取り間違いを防ぐ為に、作業は二人一組で行ないます。

【胚の分割とそのグレード】
 受精卵は分割が正常に行なわれた場合、受精1日目に前核期胚となり、2日目に細胞が4つに分割した4分割胚、3日目に細胞が8つに分割した8分割胚、4日目には細胞が16~32分割となり、分割した細胞が密着し結合する桑実胚、5日目には桑実胚に穴があき、その穴が広がって胎児になる部分の細胞とそれを取り囲む胎盤となる細胞がキレイに分かれて出来上がる胚盤胞になります。
 肉眼での判断では、フラグメントがなく、分割した細胞が均等であるほうがグレード(質)の高い、良い胚だとされています。フラグメントとは、細胞の破片のようなもので、もともと1個だった細胞が2分割、4分割と分かれていく時に発生します。フラグメントの発生率には個人差があり、全く発生しない場合もあります。
 胚分割のグレードは1~5に分けられており、1が最も良好な胚とされています。
 胚盤胞のグレードは分割胚のグレードとは違い、胚盤胞になりたてがクレード1(G1)で、孵化(透明帯を破って抜け出ること)した胚がG6というように、その成長過程を数字で表します。例えば「G5AB」ならば、グレードの次のアルファベットが分割胚でいうグレードと同じ意味合いを持ち、ランクはA~Cの3つ。Aが最も良いとされています。最初のアルファベットは内側の細胞(胎児になる部分)で、次のアルファベットは外側の細胞(胎盤になる部分)のグレードを表しています。
 胎児になる部分と胎盤になる部分の細胞が見えて初めてグレードが付けられるため、初期胚盤胞にはグレードがつけられません。細胞の数やグレードなど、胚の状態は移植前に医師や胚培養師から説明が行なわれます。
 排卵誘発剤を使わずに、自然周期で採卵した卵子と、排卵誘発剤を用いて卵巣を刺激する刺激周期で採卵した卵子の違いについて聞かれることがありますが、身体にかかる負担を別とすると、一見して卵子自体に違いを感じることはありません。


【変性卵と未熟卵】
 採卵が終わって卵子の確認をしたときに、変性(卵子が呼吸をしていない、または形が崩れていること)している卵子や未熟卵の場合があります。変性には二通りあり、採卵した時点で変性しているう場合は、卵巣にあるときからすでに変性していたということになります。顕微授精を行なったあとに変性している場合は、針をさすときなどのストレスに卵子が耐えられなかったということになります。
 未熟卵とは、卵子が成熟する一歩手前で卵胞の中に停滞していることをいいます。卵子は、排卵直前に黄体化ホルモン(LH)が大量に分泌される(LHサージ)が起こることによって成熟し、採卵が可能となります。LHサージがうまく働かないと未熟のままということになります。
 卵胞がいくつか出来ていると、一番大きな卵胞に照準を合わせて排卵日を決定します。そのときに、小さい卵胞を一緒に排卵すると、未熟卵が採れる場合があります。
 医療機関によっては、成熟卵ではなく、未熟卵をあえて採取して培養するというところもあるようですが、通常は成熟させてから採卵する方法が一般的です。採れた卵子がたまたま未成熟だった場合は、培養して成熟させます。ただし、成熟卵か未熟卵かは、裸化(卵子のもわりにある顆粒膜を取り除くこと)しなければわかりません。
 顕微授精の場合は、顆粒膜を取り除いてから顕微を行ないます。未熟卵の場合はすぐに判断が可能なので、更に培養して成熟させます。体外受精の場合は、採卵日の夕方や翌日にならないと裸化しないので、確認がすぐには出来ません。

【胚の凍結】
 胚を凍結する場合、大きく分けて2種類の方法があります。胚をプラスティックの細い管に入れ、特殊装置の中でゆっくり温度を下げていく「緩慢凍結法」と、胚を専用のシートにのせ、液体窒素の中にいれて瞬間凍結する「ヴィトリフィケーション法」(ガラス化凍結法)です。医療機関の方針にもよりますが、最近ではヴィトリフィケーション法が多く採用されているようです。
 以前は、初期胚盤胞が凍結に耐えられると言われていました。おそらく、透明帯が厚いため胚が守られているのでは、という発想からきているものと思われます。
 しかし、実際にデータをとったところ、初期胚盤胞よりも拡張胚盤胞(受精卵が拡張し、透明帯も薄くなっている状態の胚)のほうが凍結・融解に耐え、妊娠率も高かった事がわかりました。
 初期胚盤胞を凍結した場合は、その後に胚盤胞、拡張胚盤胞と成長していくか、もしくは変性して成長が止まるかはわかりません。着床(受精卵が子宮内膜に定着すること)に向かって少しでも成長を遂げた胚のほうがより強く、そして妊娠率の向上にもつながっているようです。
 精子や受精卵の凍結保存は半永久的です。長期間凍結保存していたものを融解するときのダメージについては、凍結する卵子や精子の質によるものであり、その保存期間の長さへの関係性はありません。

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