不妊・妊婦の豆知識
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ひっそり佇む木々のように落ち着いた日々を
カラッと乾いた少し冷たい風が頬をかすめる秋。色づいた葉を徐々に落としていく木々を見ると、淋しくなったり、悲しくなったり・・・。でも、それはあなただけではありません。夏の暑さと湿気が去りゆくと、空気は次第に乾いていき、その感想は体だけでなく、こころのうるおいも奪っていきます。そしてセンチメンタルな気分にさせるのです。秋はうるおいを補うものを食べ、肺をいたわる養生を取り入れましょう。木々は活発な春夏とは対照的にひっそり佇みますが、人もまた落ち着いたリズムで過ごすのがいいでしょう。
秋はこころも乾燥。頭や胸、手にはこころをうるおすツボがあります
肺は悲しみの感情と関連すると言われています。だから、理由もなく悲しくなったり、淋しくなったりするのは当たり前。秋はこころも乾燥する季節なのです。悔やまない、落ち込まない。そんなこころ持ちで過ごすことも大事ですが、それでも滅入ってしまいそうなときは頭の「百会」に手を当てましょう。じんわり温めると、こころがほぐれてラクになります。胸にある「膻中 」も気持ちを落ち着かせてくれるツボ。ここは、ソワソワしたら自然と手を当てるところですよね。緊張を解いてくれる「労宮」は、誰かに押してもらうのもおすすめです。
「百会(ひゃくえ)」を温める
≪位置≫
頭のてっぺん。両耳をつないだラインと体の真ん中が交わるところ。
≪方法≫
手首のつけ根をツボに当て、もう一方の手を重ねる。軽い刺激を加えながらじんわり温めると心地いい。
「膻中(だんちゅう)」を温める
≪位置≫
乳首同士を結んだ線の真ん中。
≪方法≫
ツボの上に両手を重ねてじんわり温めると、こころも落ち着く。
「労宮(ろうきゅう)」を押す
≪位置≫
こぶしを握ったとき、人差し指の先端と中指の先端が当たったところの間。
≪方法≫
親指の腹で軽く押す。深呼吸をしながらゆっくり押すとよい。
【プラスの養生】ほくほくした「ゆり根」で気持ちも温めて
「食べたいのに食べられない」「動きたいのに動けない」という状態を「百合病(びゃくごうびょう)」といいますが、ゆり根を食べて改善したことからこの名前に。このことからもゆり根がメンタルにいいことがわかります。茶碗蒸しに入れても美味です。
寝汗は水の不足から。手足をさすってうるおいをコントロール
涼しいのに寝汗。そう聞くと「水分過多では?」とも思えますが、じつは逆で、原因はうるおい不足。例えば、やかんで沸かすお湯を想像してみてください。沸騰して水が減るとやかん内は高熱に。すると火力は変わらないのに、残りの水の蒸発がぐんと早くなります。人の体も水が減ると体内の熱が上昇し、その熱を出そうとどんどん汗をかくのです。だから早く注水しないと水が底をつき空焚き状態に…。そうなる前にさすりたいのは水分補給に働く「復溜」。手首の「神門」「陰郄 」は、精神を安定させ、熱を鎮めるツボなので、やかんの例えでいえば火を弱める役目をしてくれます。
「神門(しんもん)」「陰郄(いんげき)」を温める
≪位置≫
[神門] 手のひら側の手首のシワの上で、小指側の腱の内側(親指寄り)のくぼみ。
[陰郄]
神門より小指幅1本分程度ひじ寄り。
≪方法≫
親指の腹で軽く押したり、さすったりして刺激。人差し指と中指の腹でさすってもいい。
「復溜(ふくりゅう)」を押す
≪位置≫
内くるぶしとアキレス腱の間にある「太渓(たいけい)」というツボから指3本分程度上がったところ。
≪方法≫
アキレス腱側から手を回し親指の腹をツボに当てる。押したり、指先をクルクル回してマッサージするのも◎。
【プラスの養生】サウナや岩盤浴は控えましょう
うるおい不足の人が、大量に汗をかけば、どんどん乾燥が進行。発汗を促すような激しい運動やサウナ、岩盤浴などは避けましょう。汗をかくと肌がしっとりしてうるおったように思いがちですが、体内はカラカラになります。


