妊娠適齢期の豆知識
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精子の異常や精子抗体の有無がヒューナーテストでわかる
当院では、初診の際には奥様お一人で来られることがほとんどですが、検査をするうちにご主人に不妊の原因が見つかることもあります。
タイミング法に取り組む患者さんのヒューナーテストで、男性不妊が見つかることがあります。
ヒューナーテストとは、排卵日の直前の時期に性交していただき、その翌日の頸管粘液の中の精子の様子を調べるテストです。たとえば精子の数が多そうに見えても運動性が
悪ければ卵管までうまく泳いでいけません。
ヒューナーテストの結果から精液検査、さらには抗精子抗体の検査を追加したほうがよいと判断することもあります。ヒューナーテストは男女にかかわらず不妊にまつわるさまざまな
状況が見えてくる点で、私は非常に有効な検査だと考えています。精子の運動性が良くない場合は人工授精に進んだ方がいいと判断できます。
まだ、抗精子抗体が陽性の場合は、自力での受精が困難だと思われるため、体外受精に進んだほうがよいと考えられます。
結果が悪い場合、婦人科医がまず精液検査とホルモン検査を
当院では、ヒューナーテストの結果が良くない場合などは、精液検査と血液中のホルモン検査をお願いしております。
精液検査では、精液量、精子濃度、運動率、精子の形態、感染の有無などをみていき、基準値と比べながら男性不妊の原因を探ります。
ホルモン検査の結果から視床下部・下垂体・精巣機能を推定できることもあります。具体的には、FSHやLHといった性腺刺激ホルモン、
テストステロン、プロラクチンの4項目です。結果が良くない場合は女性と同じくクロミフェン製剤の処方やFSH製剤の注射を用いることもあります。
男性も女性もホルモンは視床下部からの命令により働いていますので、検査も投薬も重なる部分がありますね。
また、男性の場合は精索静脈瘤などが原因となることもあります。精索静脈瘤とは、精巣から心臓に戻る静脈の血液の流れがうっ滞して精巣周囲の
静脈に瘤ができている状態です。手術の必要性がある場合もあり、当院でも泌尿器科の医師が手術を含めた治療をできる体制を整えています。
精子の数や運動率が精索静脈瘤の手術前とそれはど変わらないのに体外受精の成績が上がった例も少なからずありますから、精索静脈瘤が見つかれば
内服治療や手術などを考えたほうがよいと思います。
加齢に伴い精子にも問題が起こりやすくなる
これまで卵子や子宮の老化については言及されてきましたが、精子の老化についてはそれほど目を向けられなかったのではないでしょうか。
元気に射精できれは何歳でも子づくりができると信じていませんか。精子が正常で元気であればいいのですが、実は男性でも35歳を過ぎると
精子のDNAに断片化がみられる、つまりDNAが壊れているケースが多くなります。精子の質が落ちる原因はいくつかあり、その一つが活性酸素の
増加によって精子が酸化ストレスをうけやすくなることです。最近は精子の中のDNAの損傷の程度をみることができる「精子クロマチン構造検査(SCSA)」を
行うことができるようになってきました。精子が酸化ストレスなどのダメージを受けることで損傷したDNAを持つ精子の割合(DNA断片化指数:DFI)が
高いようであれば、その対策が必要なこともあるようです。
いい精子づくりのためには、十分な栄養と睡眠をとり、健康な体づくりを意識して活性酸素をなくす努力をしてください。ほかにも、窮屈な下着などで
睾丸(精巣)を圧迫しないことや、下半身を温めすぎないことも大切です。奥様同様に、ご主人にも自己管理をしてほしいですね。
生理の憂いにサヨウナラを 2020(Jineko.net)