不妊・妊婦の豆知識
[Vol.88]
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不妊に関して、皆さんどんなことを知りたいと思っているのでしょうか。
WEBジネコなどで多く検索されているキーワードをピックアップして解説します。
通常の月経と同様に、採卵後だいたい2週間後に整理がきます。採卵は、排卵させずに採卵するので、その後の生理がいつくるのか気になると思いますが、通常のサイクルで生理はくるとお考えください。新鮮胚でその周期に戻した人は生理が遅れると妊娠の可能性もあるので非常に気にされることだと思います。採卵後2週間で妊娠が判明しますから、その時期をゆったりした気持ちで待ちましょう。
採卵後の生理が遅かったり早かったりするのは、採卵時に使ったホルモン剤が影響しているといえます。基本的に、移植をした場合は、サポートをする薬の影響があるので判定期まで生理はきません。早くきた場合は、薬の量が少なかったことが考えられますから主治医に相談してください。
そのほか、例えば採卵後に黄体ホルモン補充をした場合は、生理は遅くなります。凍結胚移植をする場合は、黄体ホルモン補充は行いませんから気にすることはないでしょう。逆に、採卵前に自然排卵をおさえる点鼻薬を行った場合は、黄体機能不全になるので少し早めにくるでしょう。
このように、「生理がいつくるか」は、その時に使用したホルモン剤などによって変わりますから、その都度主治医に確認をしたほうがいいと思います。どちらにせよ、生理が来る時期についてあまりナイーブにならないほうが良いでしょう。
排卵後すぐにお腹に鈍い痛みを感じる場合は、出血している可能性があります。実は採卵後のケアはとても大切なのです。もし2~3日後に痛みを感じる場合は、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)や感染症を疑うべきでしょう。OHSSは排卵誘発剤を使用する際の副作用としては重大な合併症です。OHSSが発症するかどうかは、その個人の体質が大いに関係しています。OHSSの場合、軽度や中等度なら通院で様子を見ながら治療できますが、重度の場合は入院の必要もでてきます。2~3日後に痛みを感じる場合はすぐに主治医に相談してください。
また排卵時には多少なりとも痛みを感じる話はよく聞きます。基本的には気にしなくてもいいと思いますが、やはり、卵巣に針を刺すので、卵胞が小さかったり針が太かったりすると痛みを感じてしまうのではないでしょうか。特に、高齢の方は卵巣が硬い場合が多いのですが、その場合はなかなか針が刺さらないために痛みを感じると思います。さらに緊張のために卵巣が萎縮してしまうとやはり刺しにくくなるので、痛みを感じやすいいでしょう。
痛みの感じ方は人それぞれですが、痛みを恐れて採卵時に局部麻酔をかけるケースはよくあります。初めて採卵する人はどんな痛みがくるのか想像できないでしょうから、例えば注射の痛みに耐えられないような方は、採卵時の局部麻酔などをリクエストしたほうがいいかもしれません。
採卵後は先ほどいった通り卵巣に針を刺すため非常にナイーブな状態です。卵巣が腫れていたり、傷ついている可能性があるので、刺激を与えてしまうと卵巣出血や捻転を起こす危険性があります。一般的に治療周期中は、運動を控えるようにしましょう。
また、膣内に入った細菌に感染することも考えられます。精液に細菌が混入している可能性もありますし、胚移植時には子宮頚管粘液を一度除去していますので、子宮内へ菌が入る可能性が高いです。ですから、清潔を保つためにも夫婦生活は控えましょう。自然周期ならそれほど敏感になる必要はないと思いますが、それでも次の周期がくるまでは控えましょう。一方で、着床を促すため夫婦生活をすすめる医師もいるようです。
採卵当日は、採卵時の麻酔の影響などで体のだるさや眠気などを感じることもあるので、仕事を控えるなどして出来るだけ安静に過ごすことをおすすめします。自宅で本を読むなどのストレスのない環境に身を置くといいでしょう。採卵当日からは激しい運動を伴わないデスクワークならいつも通りして頂いて構いません。ただし、旅行はご本人が思う以上に体力を使いますし、何が起こるかわかりませんから、宿泊を伴う遊びは控えたほうがいいですね。不妊治療は採卵して終わりではありませんから、その後の胚移植に備えて万全な生活を送りましょう。
[参考文献]
Jineko 2016Autumn
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