不妊・妊婦の豆知識
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体が冷えると血流が悪くなり不妊症や早産、流産の原因に
西洋医学では「冷え」を病気と捉えていませんが、日々患者さんに接していると「冷え」を気にされている方が多いです。自身を「冷え性」と感じている方は、お腹や手足が冷たいなどの自覚症状があり、日常生活で何らかの不調を感じているようです。
女性の平均体温は36.5度前後ですが、中には35度台の低体温で明らかに体が冷えている方もいます。もともと女性は男性に比べて筋肉量が少なく、体内でつくられる熱量が小さい傾向にあります。これを補うためにある程度の体脂肪が必要ですが、無理なダイエットなどで体脂肪が減ると、体は冷えやすくなります。できるだけ適正体重(BMI値)に近づけることが大切です。
体が冷えると全身の血流が悪くなり、骨盤内にも影響します。子宮や卵巣に必要な血液が供給できなくなると生理痛や生理不順を引き起こして、卵胞や子宮内膜が育ちにくくなることが考えられます。また、妊娠中も胎盤の血流が悪くなり、子宮の収縮が増えて切迫早産や流産のリスクが高くなります。
身近な生活習慣を見直して体を温めれば免疫力もアップ
「冷え」の原因は環境や服装、食事など身近な生活習慣の中にもあります。例えば寒い季節はもちろん、暑い季節のエアコンも体を冷やす要因の一つです。ご来院いただく患者さんの中には薄着や首元などの肌の露出が大きく、素足に近い服装の方も見かけます。特に首と手首、足首は皮下脂肪が少なく、体の深部に近い部分です。寒さが増す季節は自宅では足首を締め付けない厚手のルームソックスで足元をしっかり温め、外出先ではネックウォーマーやレッグウォーマーなどをうまく活用すると良いです。また、湯船に入らずにシャワーで済ませている方は、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるようにしましょう。ぬるめのお湯は副交感神経を瀬激して体温をゆるやかに上昇させます。また、体内の免疫細胞を増やして免疫力を上げる効果もありますから、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染予防にも期待できます。
朝食は体温を上げるエネルギーのもと 体を温める食材も取り入れて
私たちが一定の体温を保ち、活動するためのエネルギーをは毎日の食べ物で得られています。一日の体温にはリズムがあり、起床後の体温が最も低く、夕方にかけて緩やかに上昇します。体温を上げるためにはエネルギーの元になる朝食をきちんと摂り、代謝を高めることが大切です。ただ冷たい飲み物や食べ物は胃腸を冷やし、全身の「冷え」につながります。出来るだけ温かい食べ物を口にするようにしましょう。
また、食べ物のなかにも「体を温める食材」(魚介類、発酵食品、ネギ、生姜など)と「体を冷やす食材」(小麦、砂糖、南国の果物など)があります。それぞれの食材の特性を知り、両方をバランスよく摂ることが大事です。例えば、小麦は体を冷やす食材なので、パン食よりもご飯とお味噌汁といった和食にすると、体を温める魚介類や発酵食品などと組み合わせやすくなります。寒い季節はいろんな種類の食材が一度に摂れる鍋料理もいいですね。チーズには体を温める作用がありますから、チーズフォンデュなどもおすすめです。
「冷え」は毎日の生活習慣を少し見直すだけで改善できることもあります。普段から「冷え」を気にして対策を心がけている方はもちろんですが、知らず知らずのうちに体を冷やし「冷え」の自覚がない方も体を温めることを心がけ、気になることがあったらお気軽にご相談ください。
普段から体の「冷え」を意識した生活を
〇 「冷え」は骨盤内の血流に影響し、不妊症の原因にも
〇 生活習慣の見直しをして「冷え」を改善できる可能性も
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